2021年10月22日金曜日


ねこの糸



「保護猫ぐるぐる」というところ。ぼくはどんな大人の猫になるんだろうな。

ある日、ぼくは選ばれた。

「あなたを気に入った人が、飼いたいというの。あなた行ける?大丈夫?いいこにできる?」


「うん、僕行く。いいこでいるよ。楽しいおうちだといいな」


猫はもらわれていきました。

可愛いおうちだった。飼い主のママはとても優しい目をした人だった。

毎日、きちんと同じ時間にごはんをくれて、とても清潔にしてくれた。

そして、そこにはもう一匹。「マネ」という猫がいた。


ママは病気だった。しゅじゅつをしてとても良くなったそうだけど、

「また病気になったらどうしよう」という不安が消えませんでした。


猫は「みどりちゃん」と名付けられた。

目の色が緑色だったから。

マネの名前は黒猫だったかららしいけど意味は分からない。


マネはみどりちゃんに行った「お母さんはずっと猫を飼い続けているの。あたしで4匹目らしいの。でもお母さんは2匹までしか飼わないと決めていて、半年前に前の猫が天国へ行ったの。それで、お母さんは喪が明けてからあなたを引き取りにいったんだよ。今までの猫からわたしはママのお話をたくさん聞いているの。死んじゃった猫たちも、みんな繋がってママを守っているんだよ」


マネは続けました。「お母さんの病気は治ったらしいんだけど、まだちょっと苦しいらしいの。私たちをもふもふしたり、顔を私のお腹にくっつけてしゅーって吸うことで苦しみも悲しみも柔らぐんだよ。涙もくっつくよ。私たちは自由だけど、ひとつだけお仕事がある。お母さんに私たちの健康や元気を、このからだで癒すこと。


みどりちゃんは了解しました。

ぼくの毛皮をいっぱい吸わせてあげるよ。

お母さんはみどりちゃんをいっぱい吸いました。


ある日、ママはどこからか綺麗な緑色の石を持ってきました。

「この緑色の石きれいね。エメラルドみたい」

ママはみどりちゃんの首輪にエメラルドみたいな石をはめました。


するとどうでしょう。みどりちゃんに変化が訪れました。

「人間の体の中が見える。神経といういろんな線が見える。」


みどりちゃんは、わけがわからないけれど、ママの体をじーっと見て、

「これとこれかな?」と、交感神経と副交感神経という糸を整えました。

そして、絡まってるときは、ちょいちょいと直してあげていました。


でも、みどりちゃんがそのちからを使うと、みどりちゃんは自分の寿命が短くなるのを感じました。

でも、みぢりちゃんはそれでよかったのです。


ママは元気になって、子どもを産みました。

「人間の子供ってなんて大変なんだろう」みどりちゃんは思いました。


ママはマネも、みどりも、子どももみんな平等に愛して育ててくれました。

ママは一生懸命だけど、パパもできたので幸せそうでした。


みどりちゃんは、そろそろ寿命を感じていました。

それに、みどりちゃんができることは、ママにすべてやりきったと思いました。


みどりちゃんは満月の夜に家をそっと出て行きました。

僕のちからが必要な人がいるはずだ。

みどりは一歩一歩歩きました。


ママたちは必死でみどりちゃんを探しました。でも、見つからない。


ある日、ママと子どもがお散歩している時に、緑ちゃんの首輪が見つかりました。

はめられてたエメラレドがありませんでした。


ママと子どものお散歩の合言葉は「エメラルド探し」という合言葉になりました。


マネがそろそろ寿命を迎えるようになりました。

ママは、自分を生かしてくれたぜんぶの猫たちに感謝しています。

「行かないでマネ。あなただけは残っていて」

マネは目をうるうるさせて息を引き取りました。


やぁ、初めまして。みなさんのことはお空から聞いています。

エメラルドを2個、目にはめたような猫がトコトコ歩いてました。


幸せに生きようね。

僕がなんとかしてあげるよ。

ママの猫たちの想いが繋がって紐になっておしえてくれたの。

もう不安になることはないんだよ。

愛してね。














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