アニサキス。
寄生虫の中でも攻撃的でかなり怖いとされている。イカ、サバ、ホタルイカなどに寄生し、新鮮な生の状態でないと生息しない。冷凍物にはいない。「本当に新鮮なもの」にしか存在しません。
アニサキスに当たりました! 喜ぶことではないかもしれないけど、そんなに嫌悪はしていません。新鮮なシメサバを食べた翌日から、胃の激痛で目が覚めるようになりました。胃といっても中心ではなく、胃の外周部、つまり胃壁に激痛が走ります。とはいえ、耐えられないというレベルではなく、私は「なんでこんなに痛いんだ」と思いつつも外出し、仕事をこなしていました。痛みとしては「胃壁がガツガツ攻撃される」って感じでした。
3日くらいして、時間ができたので病院へ行ったら「胃壁が分厚くなっている。ホタルイカ、サバとか食べました?」と聞かれた。「あ、そういえば、はい」。
「アニサキスとかじゃないかな。胃壁が腫れている」(医)。
「アニサキスぅ〜!!!」
興奮MAX。お腹の中に初めて宿した命です(胃だけど)。急に可愛くなりました。しかしその頃にはすでに痛みはひいており、アニちゃんは死にかけのようです。「数日でいなくなるから」(医)とのことでした。そして、
「決してそのお店が悪い訳ではないですよ。新鮮なものを出している証拠です。こればっかりは、運です」とのこと。
こんなことを書くと「悪趣味」とか思われそうですが、私が寄生虫に嫌悪感が薄いのは、過去に取材したことがあるからです。目黒寄生虫館の初代館長・亀谷了氏に長くお話しを伺いました。
基本的に…寄生虫というのは、母体と共存して生きている。母体の菌や悪いものを食べて生き延び、母体にとっても利益になる。そういう双方にメリットのある共存関係でしか生きていかれない、成り立たない存在なのです。
それが、人間とか本来入るべきでない母体に入ることを「迷入」と言い、つまり迷い込んでしまって、出られない。そこには自分の食べたいものも無いし、生きていける環境でもない。「出してくれ〜!」と叫びながら胃壁を食い、もがくのです。
寄生虫館の館長が言いました。
「人間は寄生虫を害虫扱いするけれど、本来の姿は益虫です。寄生虫にとっては「人間なんかの中に入っちまって、こんちくしょう」という気持ちでしょう。彼らにも迷惑千万なのです」
その、あまりにも寄生虫の肩を持つスタンスに当時はおののいたものですが、今では洗脳されています。
なので、私の中のアニサキスちゃんも可愛いのです。ごめんね、居心地良くなくて、すぐ死んじゃって。
館長は「アニサキスの痛みは、もんどり打つくらいの激痛」と言っていましたが、それほどでもありませんでした。これを男性の友達に話したら「女性はそういうの強いからなぁ。男ならびびって耐えられないよ」とのこと。そうかな?
人間はアニサキスが嫌いですが、アニサキスだって人間が嫌いです。嫌いあっている者同士だと、痛みも強烈になるのでしょう。私は今後もシメサバを食べます。
以上、アニサキス事件でした。
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シメサバはよく噛んで。
後から調べたんですが、アニサキス系の寄生虫はサバ、アジ、イワシ、サケ、イカ他もたくさんあり、怖がっていたら刺身はもう食べられないとなります。 アジは「たたき」、イカは「イカそうめん」など「切り刻む」系調理法だとアニーちゃん(幼虫)でも死ぬ確率が高くなります。なので、「よく噛む」のが予防法。
あと、「アルコール漬け」。
定かではありませんが、ちらほら耳にしました。「アニサキスは酒に弱い」。
私がさほど悶絶するほどではなかったのは、痛くても毎日酒を飲んでいたからかもしれません。強いお酒だとなお良いそうです。定かではありませんが。
「アニサキスの寄生したイルカの胃」を撮影したことがありますが、フィルム時代のものなのでアップできませんでした。しなくて良かった?
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